長財布も二つ折り財布も三つ折り財布も
お札や小銭、カードが登場しなかったら作られることがなかった品物ですよね。
『時代に合わせた財布の形は、お金の歴史を追うことで見えてくるのではないか?』
そんな考えのもと、炎天下の中、東京都日本橋にある「貨幣博物館」に見学に行ってきました。
貨幣博物館(正式名:日本銀行金融研究所 貨幣博物館)は日本銀行分館(東京都中央区日本橋本石町)2階にあります。
20名以上の団体以外は予約なしで直接入ることができ、入場料は無料です。
こんなに気軽にお金の歴史を知る場所があったとはまったく気づきませんでした。
貨幣の誕生から近現代の管理通貨制度の貨幣まで3回に分けて紹介していきたいと思います。
<貨幣博物館情報>
開館時間 9:30-16:30(入館は16:00まで)
休館日 月曜日、祝日(ただし、土曜日・日曜日と重なる場合は開館)、
振り替え休日、年末年始(12月29日から1月4日)
※展示入れ替え等のために臨時休館日あり
入場料 無料
所在地 〒103-0021 東京都中央区日本橋本石町1-3-1
TEL 03-3277-3037
最寄り駅 地下鉄銀座線三越前駅(出口A5 徒歩3分)、地下鉄半蔵門線三越前駅(出口B1 徒歩1分)、
JR東京駅(日本橋口 徒歩10分)、JR総武線新日本橋駅(出口1 徒歩 5分)
貨幣博物館HP http://www.imes.boj.or.jp/cm/htmls/index.htm
その他情報 館内無料コインロッカー有り、館内飲食不可、服装自由
HPを見たところ『30分程度で見て回れる広さだな』と思って行きましたが、いやいや1時間は必要でした。
館内外のロビーやビデオコーナーを含めると情報盛りだくさんで30分では足りません。
時間にゆとりをもって行かれることをお勧めします。
貨幣博物館内には、一億円分の重さのお札を持ち上げる体験ができます。
さて、1回目の今回は、
・現在有効な銀行券(お札)と貨幣(小銭)、過去(明治以降)の銀行券と貨幣
について紹介します。
2回目は、
・物の価値と貨幣の誕生(むかーしむかしのお金)
・貿易とお金
・貨幣の改鋳
3回目は、
・文明開化以降の政治とお金
・現在の管理通貨制度とお金
と進めていく予定です。
(内容が変更することがあるかもしれません。)
現在有効な銀行券と貨幣
2012年現在、使用できるお札は4種類あります。
一万円券<10,000yen>
肖像:福沢諭吉
発行開始日
サイズ:76mm×160mm
五千円券<5,000yen>
肖像:樋口一葉
発行開始日
サイズ:76mm×156mm
千円券<1,000yen>
肖像:野口英世
発行開始日
サイズ:76mm×150mm
二千円券<2,000yen>
図柄:守礼門
発行開始日
サイズ:76mm×154mm
紫式部が肖像かと思うかもしれませんが、二千円券は表が守礼門で人物像ではないんですね。
過去の銀行券
支払い停止になった過去の銀行券です。
一万円券<10,000yen>
肖像:福沢諭吉
記番号 黒色
発行開始日
記番号 褐色
発行開始日
支払い停止日
サイズ:76mm×160mm
今とサイズと肖像は同じですが、今の一万円券のほうが偽造防止技術が進化してより複雑になりましたよね。
五千円券<5,000yen>
肖像:新渡戸稲造
記番号 黒色
発行開始日
記番号 褐色
発行開始日
支払い停止日
サイズ:76mm×155mm
今より横幅が1mm短い新渡戸さんの五千円券です。
余談ですが、新渡戸さんは東京女子大学の学長でもありました。
東京女子大学創立期の人々参照
千円券<1,000yen>
肖像:夏目漱石
記番号 黒色
発行開始日
記番号 青色
発行開始日
記番号 褐色
発行開始日
記番号 暗緑色
発行開始日
支払い停止日
サイズ:76mm×150mm
一番刷られているお札ですね。記番号が4種類と他のお札の2倍あります。
それ以前の銀行券は15種類あり、
聖徳太子の一万円券と五千円券
伊藤博文の千円券
聖徳太子の千円券
岩倉具視の五百円券 2種
板垣退助の百円券
聖徳太子の百円券
高橋是清の五十円券
国会議事堂の十円券
彩紋の五円券
二宮尊徳の一円券
武内宿禰の一円券 2種
大黒像の一円券
が日本銀行により発行されていました。
お金の価値が変動しているため、昔は一円や五円のお札があったんですね。
今では考えられません。
金本位制度から管理通貨制度へ移行したことで(日本は1931年12月)
金兌換できないお札になり発行枚数のコントロールは中央銀行が行うようになりました。